炭ができる原理をわかりやすく解説!和風インテリアを自作する
お疲れ様です!趣味で花炭を作っているたけし(@takeshinonegoto)です。
いきなりですが、僕は趣味でこんな物を作っています。
この記事では、上の写真のような炭を作る方法や、炭ができる原理を解説していきます。
- 炭で和風インテリアを作りたい
- でも作り方がわからない
- 失敗したくない
- 木がどうなった状態を炭と呼ぶのか
- どうすれば炭ができるのか
- 炭を作る具体的な方法
炭は事業としてガチなものから、僕のように趣味で作っているものまで幅広くあります。
実際に自分で作ってみて思うのは、「着火させて暖をとる」という本来の使い方をする炭を、趣味で作るのは難しいです。コスパが悪すぎる。
しかし消臭や除湿といった効果を期待して、和風インテリアや園芸用として活用する分には簡単です。
自分で作れるようになって、いろんなインテリアを作ってみたいなぁ
そんな方のために、「炭ができる原理」をイラストを使って分かりやすく解説します。
正直、炭を作ることに関してはどこよりもわかりやすく解説している自信があります。
この記事を読めば、好きなものを使って炭のインテリアを楽しめるようになります!
- 炭作りの原理
- 炭作りに挑戦(失敗談)
- TLUDストーブで炭作りに再挑戦
- 花炭の作り方
- 炭の火起こし
【結論】木を加熱して炭素以外の成分を抜けばOK
結論として、木を加熱して炭素を抽出できればOKです。
加熱することで木に含まれる成分が分解され、炭だけが残る状態にします。
木を加熱して分解される成分と特徴
発生する成分 | 特徴 | 主な使用用途 |
---|---|---|
炭素 | 燃焼に使われる物質 | 木炭として |
木酢液(もくずえき) | 酸っぱい液体 | 燻製・虫除け、除草 |
タール | 防腐効果のある油 | 食材のコーティング |
木ガス | 可燃性の物質 | 二次燃焼 |
煤(すす) | 黒くなる | 書道の墨 |
木を加熱することで、上記のような成分に分解されます。
炭を作る上では1番上に書いた「炭素」を抽出できれば良いので、他の成分については今回は気にしなくてOK。
他の成分も気になるなら、「【資料】木を燃やすと発生する成分についての解説」をご覧ください。
それぞれの成分の特徴を解説しています。
【理屈】燃やさないように熱する
燃やすと灰(ハイ)になる
当たり前のことですが、木を単純に燃やすと炭(スミ)ではなく灰(ハイ)になります。
炭は炭素だけが残った状態で、灰は炭素も燃え尽きた状態のことを言います。
つまり、「燃やさないように熱する」というのは「燃やさないように(灰にならないように)熱する(炭にする)」という意味です。
基本的なことですが、これを忘れて失敗したことが多々あります
成分が分解されていく温度
木を炭素に分解するには熱する必要があります。
具体的には最低でも260℃以上。600℃くらいまで分解は続くと言われています。
ちなみにお好み焼きを焼くときの温度は250℃くらい。
参考:ホットプレートでお好み焼きを焼く時のポイント-パセミヤ
ちょっと火にかければOKってわけじゃないことはわかりますよね。
ここで温度の見極めは重要ではありません。実際は放出される煙を見ればどのくらい分解が進んでいるかわかります。
ちょっと火にかける程度じゃ炭はできない
酸欠状態で熱すればOK
炭を作るには木を燃やさないように熱しましょう!
「燃やさない」ということは火から遠ざければ良いかな?
「熱する」ということは火に近づければいいかな?
こんな表情になった方も大丈夫。難しいことではありません。
結論、酸欠状態で火にかければ良いだけです。
木に多く含まれる炭素(可燃物)が火(熱)によって空気(酸素)とくっつき(化合)、火が発生します。
引用:【資料】木が燃える原理と煙の正体-リベンジDIY
木が燃えるには酸素が必要になります。逆に言えば酸素が無ければ火あぶりにしてても燃えません。
なんらかの方法で酸欠状態を作り、火あぶりにすることで「燃やさないように熱する」ことができるわけです。
ここからは具体的な方法を紹介していきます
【具体例】酸欠状態で熱する方法
方法 | 特徴 | 注意 | 一度に作れる数 |
---|---|---|---|
密閉して加熱 | シンプルで簡単 | 生焼けになりやすい | 少量 |
酸素に触れないように熱する | 複雑で難しい | 酸素と触れると灰になる | 大量 |
酸欠状態で熱する方法は大きく分けて2パターンあります。
それぞれ特徴を解説していきます。
①密閉して加熱
シンプルで簡単な方法ですが、一度に少量しか作れません。
空き缶など密閉しやすい容器の中に木を入れ、焚火の中に入れるだけです。
こんな感じの缶でOK。
密閉してしまえば簡単に酸欠状態を作ることができます。
ただし缶の中に入る量しか炭にできないので、少量ずつしかできません。
- フタを閉めるだけで簡単に酸欠状態を作れる
- 缶の中に入る量しか炭にできない
加熱が弱いと、缶の中心部が炭にならず、生焼け状態になってしまいます
②酸素と触れないように熱する
事業として炭を作っている方は、こちらの方法を取られることが多いです。
大きな窯を作り、その中に熱源となる木と炭にする木の両方を入れます。
一見、炭にする方の木も燃えてしまいそうな気もしますよね。
ここが面白いところで、炭にする方の木に燃え移る前に、熱源となる木が酸素を使い切ってしまうんです。
だから酸欠状態で熱だけを加えることができるわけです。
もちろん失敗すると両方燃えてしまいますが。。。
この方法は窯の大きさによって大量の木を炭にすることができます。
また、ほぼ直火の状態なので高温にしやすいという特徴もあります。
ただし、そもそも「大きな窯を作り」という部分で、一般人には不可能・・・
一般人は大量に炭を作ることはできないの??
この方法のままは難しいですが、応用した方法でTLUDストーブというものがあります。
装置を作り準備をしてしまえば一般人でも、窯で焼いてる状態と近い状態を作ることができます。
詳しくは「TLUDストーブの原理。簡単な作り方と材料を紹介」をご覧ください。
- 窯で焼く本格的な方法
- 炭用の木に酸素が届く前に、熱源用の木で酸素を使い切る
- 応用したTLUDストーブというものがある
酸素が炭用の木に届くと、灰になってしまいます
まとめ|炭ができる原理をわかりやすく解説!和風インテリアを自作する
- 加熱して木から炭素以外の成分を抜けばOK
- 燃やすと灰になる
- 酸欠状態で熱すれば灰にならない
- 密閉して加熱か、酸素と触れないように加熱
炭ができる原理から、具体的な作り方まで解説しました。
原理がわかればどんな方法で炭を作れば良いかもわかります。
- 炭作りの原理
- 炭作りに挑戦(失敗談)
- TLUDストーブで炭作りに再挑戦
- 花炭の作り方
- 炭の火起こし